清泉雪は久須美酒造のベースとなる普通酒ながら、精米歩合は吟醸規格以上の55%で行われており、精米歩合の高さと丁寧な麹作りが伺える優しい飲み口に仕上がっています。
お燗にしても柔らかな、水の如く透明感のあるクリアな口当たりのお酒です。
創業から「日本酒は土地の米と水と人情と自然が醸す風」が蔵のモットー。同時に「飲み手に正直であること」を大切にしているという。
この思いから同社は東日本大震災以後、県内の酒蔵の中でいち早く放射能検査を行いました。
久須美酒造では昔ながらの手法にこだわった酒造りを行っている。
食品の安全性を第一にするから、コストはかかるが普通酒まで含めて全量自家精米。
原料処理には甑(こしき)や麹蓋(こうじぶた)を使い、酒母は汲み掛け法を繰り返して立てている。職人技を大事にするのは、酒造りの技だけでなく、環境も含めて文化を正確に伝えていくためだという。
「日本酒は古来の知恵や大自然の恩恵でできたことを伝えていきたい。微生物が働きやすい環境を作ると言うが、じつは日本酒の酵母菌は餌がありすぎるといい働きをしない。
いかに過酷な場所を作ってやるかが大事。命のせめぎあいからいい酒ができるんです」
久須美蔵元の透徹した眼は蔵の明日のみならず、業界の未来を見据えているようだ。
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