清泉夏子物語純米吟醸は、かつてお酒に級別審査があった時代にあえて審査に出さずに「二級」表示で純米酒を販売した時期がありました。いわゆる「無監査二級酒」というお酒で、高い酒税を払うより「二級酒」として安くお客様に飲んで頂こうという蔵の心意気の酒でもありました。
柔らかく優しい雰囲気に包まれた純米酒で、決して飲み飽きする事のない落ち着いた香りの中にバランスの良さが感じられ、お燗にしても一層美味しく頂けるのが特徴です。マイルドな味わいはベストセラーと呼ぶに相応しい銘酒です。
ラベルは令和の時代を迎えて、書道コンクール県知事賞などを3回受賞するという、八代目予定の社長ご子息が「夏子物語」のフォントを揮毫しました。
蔵元は創業から「日本酒は土地の米と水と人情と自然が醸す風」が蔵のモットー。同時に「飲み手に正直であること」を大切にしているという。この思いから同社は東日本大震災以後、県内の酒蔵の中でいち早く放射能検査を行った。
久須美酒造では昔ながらの手法にこだわった酒造りを行っている。
食品の安全性を第一にするから、コストはかかるが普通酒まで含めて全量自家精米。
原料処理には甑(こしき)や麹蓋(こうじぶた)を使い、酒母は汲み掛け法を繰り返して立てている。職人技を大事にするのは、酒造りの技だけでなく、環境も含めて文化を正確に伝えていくためだという。
「日本酒は古来の知恵や大自然の恩恵でできたことを伝えていきたい。微生物が働きやすい環境を作ると言うが、じつは日本酒の酵母菌は餌がありすぎるといい働きをしない。
いかに過酷な場所を作ってやるかが大事。命のせめぎあいからいい酒ができるんです」
久須美蔵元の透徹した眼は蔵の明日のみならず、業界の未来を見据えているようだ。
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